アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎とは
くしゃみは、鼻から吸い込んだ物質を体が「有害」と判断したときに出る自然な反応です。くしゃみによって体外に有害な物質を排出し、鼻水で鼻の中を洗い流し、鼻づまりで体の奥への侵入を防ぎます。これらは体を守るための「防御反応」です。
しかし、この防御反応が過剰になると、くしゃみや鼻水、鼻づまりが日常生活に支障をきたすようになります。この状態が「アレルギー性鼻炎」です。
アレルギー性鼻炎の原因と症状
アレルギー性鼻炎の原因となる物質(アレルゲン)には、以下のようなものがあります。
- ダニ
- ホコリ
- カビ
- ペットの毛(犬や猫)
- その他ハウスダスト
アレルギー検査では一度の採血で、48項目のアレルゲンを調べることができます。
アレルギー検査について主な症状
- くしゃみが発作的に連発する
- 透明のサラサラの鼻水
- 鼻づまりがひどく夜もねむれないことがある
- 眼のかゆみ、充血
- 喉のイガイガ感
局所アレルギー性鼻炎(LAR)とは?
血液検査ではアレルギーが見つからないのに、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状が出る鼻炎です。
アレルギー症状があるのに検査で異常が出ない場合、LARの可能性があります。
花粉症
花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)とは
日本では約4人に1人が花粉症だと言われています。花粉症は、スギやヒノキなどの花粉が体内に入り込むことで、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどのアレルギー症状が引き起こされる病気です。
これらの症状は、体が花粉を排除しようとする免疫反応によるものです。透明でさらっとした鼻水や繰り返し起こるくしゃみが特徴的です。
花粉症の原因となる花粉の飛散時期(目安)
- 1月~3月:スギ花粉、ハンノキ
- 3月~6月:ヒノキ、マツ、シラカバ、ヘラオオバコ、ケヤキ
- 7月~10月:ブタクサ、イネ、ヨモギ、ススキ
花粉症の方は、原因となるアレルゲンを特定し、花粉が飛散する前に予防や治療を始めることが重要です。
花粉症対策のコツ
花粉症はアレルギー疾患の一種です。対策の基本は原因となる花粉をできるだけ避けることです。
スギ花粉症の症状を悪化させないコツはスギ花粉を避けること、ヒノキ花粉症の症状を悪化させないコツはヒノキ花粉を避けること、ということになります。
日常生活でできる花粉対策
外出時はマスクやメガネ(できればゴーグル)を着用し、鼻や目への花粉の侵入を防ぎましょう。
帰宅時は、衣類などに付着した花粉を落としてから家に入るようにしましょう。
帰宅後は、手洗い・うがいを行い、必要に応じてシャワーを浴びるのも効果的です。
室内では、こまめな掃除や空気清浄機の使用により、花粉をできるだけ取り除きましょう。
花粉を生活の中に持ち込まない工夫が、症状を軽くする大切なポイントです。
アレルギー検査について
当院では、採血によるアレルギー検査を行っています。
一度の採血で、48項目のアレルゲンを調べることができます。
費用:約5,000円程度(保険診療3割負担の場合)
検査でスギ花粉症が確認された場合は、舌下免疫療法やバイオ製剤(ゾレア®)など、症状に応じた治療法のご提案が可能です。
※当院ではドロップスクリーン検査は行っておりません。
当院で行っている花粉症の治療
当院では、症状の程度や生活スタイルに合わせて、以下の治療を行っています。
初期療法
花粉が本格的に飛散する少し前から治療を始める方法です。
抗ヒスタミン薬の内服や点鼻薬を使用することで、症状の出現を遅らせ、花粉飛散ピーク時の症状を軽くする効果が期待できます。
維持療法
初期療法で症状が落ち着いた後、その状態を維持するために、内服薬や点鼻薬・点眼薬を継続して使用します。症状や生活への影響を見ながら、薬の種類や量を調整します。
バイオ製剤(ゾレア®)
重症のスギ花粉症の方を対象とした注射による治療です。
高い効果が期待できますが、保険適用条件があり、自己負担は数万円程度かかります。対象となるかどうかは医師が判断します。
舌下免疫療法
アレルゲンを少量ずつ体に取り入れ、体質改善を目指す治療です。
効果が出るまで時間はかかりますが、長期的に症状を軽減できる可能性があります。
お薬について
抗ヒスタミン薬(飲み薬)
花粉症治療の基本となるお薬です。
当院では、眠くなりにくく、1日1回の服用で効果が持続するお薬を中心に処方しています。
おすすめの薬
ビラノア®OD錠
口腔内崩壊錠で、ラムネ味のため飲みやすいお薬です。
デザレックス®
12歳以上で使用可能なお薬です。
いずれも眠気が出にくく、仕事や運転をされる方にも使いやすいお薬です。
点鼻薬(鼻のスプレー)
鼻づまり・鼻水・くしゃみを抑えるのに効果的です。
眼の痒みを抑制する効果もあります。
医療機関で処方する点鼻薬は、炎症を抑えるタイプが中心で、適切に使えば安全性が高いのが特徴です。
※ドラッグストアで購入できる血管収縮薬を含む点鼻薬は、長期間の使用はおすすめしていません。薬剤性鼻炎といって、使い続けることで、かえって鼻づまりが悪化することがあり注意が必要です。
重症の鼻炎の方や慢性副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症などの併存が疑われるなどより専門的な治療が必要と思われる方は耳鼻咽喉科へのご紹介も致します。
点眼薬(目のかゆみ・充血)
まずは、ステロイドを含まない点眼薬から使用します。
多くの方はこれで十分な効果が得られます。
症状が強い場合や改善が乏しい場合は、眼科と連携して治療を行っています。
必要に応じて、速やかに眼科へご紹介しますのでご安心ください。
当院の方針
当院では、エビデンスに基づいた治療をご提案しています。
(全身ステロイド投与など、副作用の強い治療は行っておりません)
- 症状や生活スタイルに合わせた、無理のない治療
- できるだけ眠くなりにくい薬の選択
- 他科(眼科など)と連携した、安心・安全な医療
花粉症でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
バイオ製剤(ゾレア®)は、重症のスギ花粉症患者に適用される治療法です。アレルギーの原因であるIgEという物質に作用し、花粉症の症状を改善します。
ゾレア®
バイオ製剤(ゾレア®)について
バイオ製剤(ゾレア®)は、重症のスギ花粉症患者に適用される治療法です。アレルギーの原因であるIgEという物質に作用し、花粉症の症状を改善します。
対象となる方
以下の条件を満たす方が対象です。
- 重症のスギ花粉症である
- 通常の治療で効果が乏しかった
- スギ花粉抗原に対するIgE抗体がクラス3以上
- 血液中のIgE濃度が30~1,500IU/ml
- 12歳以上かつ体重が20~150kgの範囲内
投与可能時期
スギ花粉が飛散する2~5月の期間のみ投与が可能です。
治療の流れ
- 1. 初回診察
- 重症のスギ花粉症と診断し、抗ヒスタミン薬や点鼻薬などで治療を始めます。スギ花粉抗原に対するIgE抗体、総IgE値を血液検査で調べます。(結果は1週間程度かかります)
- 2. 2回目受診
- 治療効果を確認します。効果が乏しい場合は、ゾレア®治療を提案し、投与日を予約します。
- 個人に合わせた薬品をご用意しますので事前予約が必要です。
- 3. 初回投与
- 初めてのゾレア®投与を行います。併せて抗ヒスタミン薬を継続処方する場合があります。
- 4. 定期通院
- 花粉シーズン中に2週間または4週間に1回のペースで通院し、ゾレア®を投与します。
副作用について
ゾレア®の主な副作用として、以下のような症状が報告されています。
- 注射部位の腫れ、かゆみ、痛み、熱感、出血
- 全身のかゆみ、呼吸困難、蕁麻疹(アナフィラキシーの可能性)
異変を感じた場合は、速やかに当院へご連絡ください。
舌下免疫療法
『終わりのあるアレルギー治療』として注目されている治療です。
舌下免疫療法とは、スギ花粉やダニによるアレルギー性鼻炎を治すための治療方法です。
アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)を含む薬を毎日投与して、少しずつアレルゲンに対する免疫をつくっていきます。
免疫ができてくるとアレルギー反応を起こさなくなる、又はアレルギー反応が微少になるという効果が現れます。
よって、舌下免疫療法は花粉飛散時期の一時的な治療とは異なり、治療期間は長くかかるものの、継続すればアレルギー症状の緩和を期待できます。
つまり、『終わりのあるアレルギー治療』とも言えます。
本治療を開始した約8割の患者様が治療の継続による効果を実感されています(※舌下免疫療法は保険適用が可能です)。
舌下免疫療法で治療できる病気について
現在、この舌下免疫で治療できるアレルギーは下記の2つです。
- スギ花粉症(治療薬:シダキュア)
- ダニ通年性アレルギー性鼻炎(治療薬:ミティキュア)
※当院でアシテアの処方はできません
スギ花粉症に対する舌下免疫療法の新規導入については、薬剤入手が困難なため、限られた人数のみのご案内となります。
舌下免疫療法の良いところ
- 自宅にて治療を継続できる(頻繁な通院は不要)
- スギによる花粉症を体質改善により治療できる、症状を軽減できる
- ダニによるアレルギー性鼻炎を体質改善により治療できる、症状を軽減できる
- いつも服用していた薬の副作用に悩まされなくてよい
舌下免疫療法で気になるところ
- 治療期間が長期間である(約3~5年)
- 開始時期が限られる(スギ花粉の場合のみ)
- 副作用が現れる可能性がある
- すすめられる年齢は5歳〜65歳、それ以外の方は要相談
- 健康状態の制限がある(気管支系やがん、免疫系の病気を抱えられておられる方は不可)
あや内科クリニックでの舌下免疫療法
アレルギーに悩んでおられる患者様に、体質から根本的に治療できないかと考え、舌下免疫療法をお勧めする場合があります。
患者様によってはアレルゲンを体内に入れるということで抵抗を感じられる方もおられますが、お一人お一人の状態をしっかりと診察した上で舌下免疫療法を開始しても問題ないか判断いたしますので、ご安心ください。
転院には、診療情報提供書が必要
現在、他の医療機関で舌下免疫療法を受けており、当院への転院を希望される方は、診療情報提供書(紹介状)とアレルギー検査結果を、事前にご自身でかかりつけ医へ依頼し、ご準備ください。
これらの書類をご用意いただけない場合、治療を継続できませんのであらかじめご了承ください。
